ジャズとコーラス

(9) 4人の新入生 It's A Blue World  (in English)

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Stan Kenton(1911-1971) 

スタン・ケントンが1950年にオハイオのデイトンという町を訪れたとき、ケントン・バンドのようなサウンドを出すコーラス・グループがいるけど聴いてみないかといわれエスカイヤ・ラウンジに連れて行かれました。聴いてぶっ飛んでしまったのです。ケントンは彼らを早速キャピトル・レコードに連れて行きました。初期のフレッシュメンはケントン楽団の編曲者ピート・ルゴロの編曲が多いのはこういう経緯があったからです。後にピート・ルゴロ楽団とLPを出しています。

誰がケントンを連れていったのかは、ついに長い間、不明のままになってしまいました。ケントンに聞きに行くわけにもいきません。

それが、96年になって判明しました。DJをやっていたGene Barryという人だという情報が、デイトン・デイリー・ニュースでかつて芸能の編集をしていた、Dale Stevensから寄せられたのです。

後年、フレッシュメンのコンサートの伴奏をしたケントンが司会もやったのですが、

"Our band sounds like Four Freshmen" と聴衆をわかせます。


The Four Freshmen(Group No.1)
1948年、インディアナポリスのバトラー大学でフォー・フレッシュメンは誕生しました。文字どおりの新入生だったのです。そして、彼らはついに2年生になることはなく、ずっと新入生のままでプロの道に入りました。

"It's A Blue World"は1952年にダウンビート誌1位を何週も続け、ミリオンセラーとなったヒット曲です。 コーラスがヒットパレードの1位とはさすがアメリカです。ハーモニー音痴の日本では考えられないことなのです。

彼らの特長はすべてが楽器をこなし、自分たちの伴奏は自分たちでやってしまうことです。しかも、ソロ演奏は器楽専門の人達が舌を巻くほどの腕前なのです。こんなグループはなかなか登場してきません。

Four Freshmen Societyという国際ファンクラブがあります。日本人では95名(2002.11現在)がメンバーとなっています。98年春に40名くらいが全国から集まりました。4パートに分かれて、あの4 Freshmen サウンドを再現しました。興味のある方は、 FFS日本代表、市浦 靖氏までメールを。 小生もメンバーです。


(10) The Most Fresh Freshmen

The Four Freshmen (Group No.22)
, 2002/11/28 爵士樂堂 撮影

この写真は1年5ヶ月ぶりに日本に帰ってきたFFです。赤坂B flatでのライブでのものです。


4フレッシュメンの黄金時代は50年代から60年代です。グループでいえばNo.3(Bob Flanigan, Don Barbour, Ross Barbour, Ken Albers)からNo.4(Bob, Bill Comstock, Ross, Ken)の時代です。

フレッシュメン独特のオープン・ハーモニーの高いメロディを唄うオリジナル・メンバーのボブ・フラニガンがその後も1992年までがんばり、4フレッシュメンを絶やさないで今日まで60年間も生き延びてきたのです。引退後、ボブはグループのマネージャーに専念してきました。

メンバーは2001年9月に12年の間活躍したGreg StegemanがCurtis Calderonに交代しました。そのため、コーラスのパートが全面的に入れ替わりました。FF No.22は左からBob Ferreira, Vince Johnson, Brian EichenbergerそしてCurtis Calderonです。

  Lead Voice Brian Eichenberger bass, guitar
  2nd Tenor Curtis Calderon trumpet, flugelhorn,
  Baritone Vince Johnson bass, trombone, guitar
  Bass Bob Ferreira drums, flugelhorn

となりました。現メンバーのCDは、2005年現在、”Four Freshmen -In Session”、”Four Freshmen - Live in Holland”です。いずれも御奨めですが、In Sessionはほとんどの曲が今までのグループで唄われていない歌ですし、アレンジも今のメンバーによるものが多く大変興味深いです。

これを聴くと、4フレッシュメンも新しい時代を迎えた感が強いです。つまり、昔からのOld FreshFanが自分達の郷愁を求めて彼らのパフォーマンスを見聞きするところから脱皮して、彼らと同じ世代あるいはもっと若い世代の人たちにファンが増えてフレッシュメンを支持してゆくようにならなければならないと思います。

最近はライブでも、懐メロと新曲の双方を唄っていますが、だんだん彼ら独自の路線に移っていかないと若者のファンが増えないと思います。とにかく、古いスタンダードを歌っても今どきの若者にはアピールしません。新しい歌でヒットを飛ばさないといけないと思います。

しかしながら、50年以上も前に結成され、その独特ともいえるスタイルを脈々と守りつづけるFreshmenは何というグループなのでしょう。それがVocal Group of the Yearとはアメリカっていい国です。いいものがいつまでも大事にされるのです。


Bob Flanigan and Kristian Lindeman

(11) 結成50周年記念

1998年9月19日にフォー・フレッシュメン結成50周年記念のパーティがラスベガスで開かれました。

FreshFan Kristian Lindemanはフレッシュメンを称えるコーラス"Ode to the Four Freshmen"を作り、自分のカルテットで披露しました。

写真はその歌を嬉しそうに受け取るボブ・フラニガンです。贈呈者はもちろんリンドマンです。

今年は60周年 2008/7

現在のグループの少し前まで80年代から90年代までFFの強力なメンバーだったMike Beisnerが、2008年7月6日に53歳の若さで亡くなりました。FFSDon Bolandから9日に訃報が届きました。

オリジナル・メンバーで元気でいるのは、ボブ・フラニガンとロス・バーバーの二人だけです。ドンバーバーの自動車事故死は1961年と古い話ですが、初代のベース、ハル・クラッチは1970年、2代目のケン・エライアは1968年、3代目ベースとして黄金時代を唄い続けたケン・アルバースも長い闘病生活の後、2007年に亡くなっています。

昨、2007年はJazz Time誌の読者の人気投票で、FFはボーカルグループ部門でNo. 1になりました。いつもの通り、Don Bolandから私にも投票依頼が来ました。1つのメールアドレスから1票しか投票できません。私は2箇所から投票しました。2位以下は、New York Voices, Manhattan TransferTake 6といった常連が並んでいます。

Four Freshmen Members List

Bob Flanigan (original) *2011
Don Barbour (original) *1961
Ross Barbour (original) *2011
Hal Kratzsch (original) *1970
Ken Errair *1968
Ken Albers *2007
Bill Comstock
Ray Brown
Autie Goodman
Dennis Grillo
Mike Beisner *2008
Rod Henley
Dave Jennings
Newton Graber *1995
Kirk Marcy
Gary Lee Rosenberg
Greg Stegeman
Kevin Stout
Bob Ferreira (current)
Alan MacIntosh
Brian Eichenberger (current)
Vince Johnson (current)
Curtis Calderon (current)

Four Freshmenはよそのグループのような分派活動やお家騒動は起こっていません。この60年間に上記23人のメンバーによるグループ#1から#22までの直系のグループだけです。

2008年5月にBob FlaniganとRoss BarbourはButler大学から名誉博士号を授与されました。

こちら

 

ボブ・フラニガン84歳で死去

2011/5/15

⇒ 詳細

ロス・バーバー82歳で死去

2011/8/20

⇒ 詳細


FF関連ページ 
Graduation Day  (English Version) 

Indian Summer  (English Version)

Rain

Accident 

Bob Flanigan Passed Away

Ross Barbour Passed Away

The Four Freshmen Official Site 

Four Freshmen News
FF in Tokyo, 2001

Four Freshmen Welcome Party, 2002  (in English)

OZ SONS's Friend

FF Welcome Party, 2003  (in English)

 

 

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