歌と歌手にまつわる話

(99) ジョー・スタッフォード死去 You Belong To Me


Jo Stafford (1917 - 2008) from NY Times

ジョー・スタッフォードが2008年7月16日に90歳で亡くなりました。

パイド・パイパーズやドリーベーカーのページ、最近は新子和江のページでジョーのことを書いていますが、この人は長生きで90歳やそこらでは亡くなることはないと思い込んでいました。それが、ニュースをチェックしていたら訃報があちらこちらに掲載されています。驚きました。

1930年代の後半にはStafford Sistersという姉妹のコーラスグループがあり、その面倒をマット・デニスがみていました。1939年、トミー・ドーシー楽団に雇われてパイド・パイパーズのオリジナル・メンバーとして1944年まで唄っていましたが、その後、ソロ歌手に転向します。

多くのヒット曲を残していますが、最大のヒット曲は”You Belong To Me”です。ビルボードの#1となっています。1952年に2千500万枚のレコードを売った初めての女性歌手として顕彰されました。

ジョー・スタッフォードには2つの芸名があります。これについては、他のページでも触れていますが、トミー・ドーシー楽団のチーフ・アレンジャーだったPaul Westonと1952年に再婚し、二人でコメディーレコードを「Jonathan and Darlene Edwards」という変名を使って出したのですが、これが大ヒットしてしまいました。

私はこの間まで、Darlene Edwardsは別人だと思っていました。

ちょいとばかり音をはずして唄うのです。旦那は旦那でリズム音痴のピアノ伴奏をするわけです。音程やリズムの微妙に狂った歌を歌うのはめちゃめちゃに難しいことです。それをジョーは、いや、ダーレンはいとも簡単に唄います。驚いた技巧の持ち主です。アメリカ広しと言えどもこんな人はいません。

CDが売り出されていますから、廃盤にならないうちにお買い求めください。こんなおかしなレコードは今後売り出されることはありません。1960年にグラミー賞まで取ってしまいました。


Paul Weston & Jo Stafford

ポール・ウェストンはドーシー楽団での編曲家の相棒、Alex StordahlとSammy Cahnとで”Day By Day”を1945年、終戦の年に作曲して有名です。玄人好みの歌”I Should Care”は1944年にSammy Cahnと書いています。1996年に亡くなっていますが、2人のコレクションはアリゾナ大学のSchool of Musicに2006年に寄贈されています。

うちのカミサンが若い頃にジョー・スタッフォードのレコードを買って、すべての曲を覚えてしまいました。今でも唄っています。中でも”You Belong To Me”は、大原江里子編曲でオージーサンズのバックコーラス付きという極めつけの歌です。


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