ジャズとコーラス

(17) マンハッタンのタクシードライバー Tuxedo Junction

Manhattan Transfer
1972年に Tim Hauserをリーダーに結成されたグループです。頭の丸いおじさんです。彼がその昔はニューヨークのタクシー・ドライバーだったというのがグループ名の由来です。彼のCabJanis Siegelジャニス・シーゲルを乗せるという運命的な出会いがあったのです。それで驚いてはいけません。Alan Paulアラン・ポールも乗せたのです。

同じグループ名で1969年に"Jukin'"というアルバムが出ていますが、これはそれっきり消えてしまった、カントリー風のグループなのです。たまたまLPが手許にあったのですが、Tim Hauserがメンバーの1人なんです。1975年に出された"Manhattan Transfer"というアルバムが、いわゆるマントラの最初です。1曲目が"Tuxedo Junction"なのです。

一時は若者に迎合したロックっぽい、うるさい、つまらない時代もありましたが、大人が若者にお愛想など売ってはいけません。若者は喜ぶわけではありません。第一、おじさんの臍が曲ってしまいます。その後は元通りになってほっとしています。つい先頃、98年の暮に南青山のブルーノートでライブがありました。相変わらず元気です。

電話交換手の歌"Operator"を聴いて興奮しました。「ロング・ディスタンスでイエス様につないでくれ」という印象的な歌なのです。

2000年11月には日本各地を1ヶ月間ツアーをしました。東京が最後のようでしたが、たくさんのファンがつめかけました。リーダーのTim Hauserは私と同い年なのですが2時間休みなしに唄いつづけました。サッチモの生誕100年記念のアルバムから新しい曲も披露しました。円熟の域に達しているようです。

2001年12月にも来日しました。Blue Note Tokyoでのライブは、乗りまくりのステージでした。近年ではもっともエキサイティングなライブを見せてもらいました。いや、聴かせてもらいました。

東京に「ジャズタクシー」というのがあるのをご存知ですか?爵士樂堂は一度偶然に乗ったことがあります。

今夜は2007年7月8日(日)です。マントラの今年のジャパンツアーの最終日でオーチャードホールでのコンサートです。東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団をバックのオーケストラバージョンです。このコンサートを我々は最前列を占拠して聴いて来ました。流石に興奮しますね。マントラと僕らの間には他人は誰もいないのです。あー、面白かった!


  INDEX     PREVIOUS NEXT