歌をつくる人にまつわる話
The Story of Songwriters

(44) Dorothy Fields & Jimmy McHugh

Dorothy Fields(1905-1974)
& Jimmy McHugh(1884-1969)

スタンダードの名曲にDorothy Fields作詞・Jimmy McHugh作曲という歌が沢山あります。 2人は1927年に出会い、最初の共同作品として”Blackbird of 1928”というブロードウェイ・レビューに、

Diga Diga Do
I Can't Give You Anything But Love
Porgy
Bandanna Babies
Doin' the New Low-Down
Shuffle Your Feet
Dixie
I Must Have That Man

を書きました。

”I Can't Give You Anything But Love”はジャズ・ボーカルを習う人にとって、Lesson Oneによく使われます。実際、沢田靖司のボーカル教室ではLesson Oneとして、昔から入門したての生徒さんは誰もが歌っています。つまり、ジャズボーカルの練習教材として最適な歌だと沢田は考えたものと思います。

それから、歌にはコード進行が殆んど変わらない歌があります。”Pennies From Heaven”は”I Can't Give You Anything But Love”と一緒に重ねて歌うことができます。昔、南青山のランプライトでのDolly Bakerのライブには沢チンが必ず応援に来ます。いろいろなデュエットや面白い掛け合いを聞かせてくれたものです。その中の1つがこの組み合わせです。

その後、DorothyとJimmyコンビは”On the Sunny Side of the Street (1930)”,”Exactly Like You (1930)”,”Don't Blame Me (1933)”,”I'm In The Mood For Love (1935)”といったスタンダード中のスタンダード・ナンバーを送り出しました。

    

言っておきますが、2人は夫婦ではありません。このコンビは有名ですが、それぞれが別のパートナーと組んでもいい歌を出しています。DorothyはJerome Kernと”The Way You Look Tonight” を映画Swing Timeのために書きましたが、1936年のBest Original Songのアカデミー賞を受賞しています。


Ginger Rogers(1911-1995)

Fred Astaire(1899-1987)

さて、Swing Timeという映画では、Dorothy作詞、George Shearing作曲の”Pick Yourself Up”という歌をGinger Rogers とFred Astaireが”Pick yourself up; dust yourself off; start all over again”とタップで踊るシーンがあるのですが、オバマ大統領は2009年1月20日の就任演説の中でDorothy Fieldsのこの歌の歌詞を引用しました。

大統領は”Starting today, we must pick ourselves up, dust ourselves off, and begin again the work of remaking America”、「今日出発するに当たり、われわれ自らを立ち上がらせ、われわれの埃を払い落とし、アメリカを建て直す仕事を始めなければなりません」と演説したのです。アメリカが汚い埃にまみれている現実をオバマは自覚していたのでしょうかねぇ。オバマ大統領はこの映画をビデオかなんかで見たのでしょうか。それとも、この映画を70何年前に見た超年寄りが原稿を書いたのでしょうか。すごいですねぇ。面白いですねぇ。(2010/8/8)

    


Herbert Fields, Morton Gould, Dorothy

ブロードウェイ・ミュージカルの映画化、1950年の「アニーよ銃を取れ」の脚本はHerbert & Dorothy Fildsの兄妹によるものです。小学4年か5年の頃だったと思います。

親父に映画館に連れられて行った記憶がありますが、ストーリーまで覚えていませんが、元気なおネーちゃんのベティ・ハットンは憶えていますね。

しかし、当初はジュディ・ガーランドが主役をやることになっていたのが出来なくなって、代役として出演したものです。2010/9/30


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